2025/09/08 01:23
スニーカーペイントに限らず、何か新しい技術やスキルを習得する際、様々なアドバイスに触れる機会があると思います。 そのアドバイスをどこまで受け入れるか、迷うことはありませんか? 「絶対これじゃなきゃダメ」というルールと、「もっと良い方法があるよ」という提案の線引きは、時に判断が難しいものです。
例えるなら、料理と材料の関係に似ています。
たとえば、**「ケーキを焼くなら、小麦粉に水を混ぜて焼くのは絶対ダメ」**と言われたとします。これは、レシピの根幹に関わる「基本の基」。ラッカー塗料にアクリル溶剤を混ぜる行為と同じで、化学的な性質が異なるものを混ぜてしまうと、塗料が固まらなかったり、剥がれやすくなったりと、後戻りのできない失敗につながります。これは「守るべき絶対のルール」です。
一方、**「ケーキの生地を混ぜるのに、ゴムベラじゃなくて木ベラを使ってもいいですよ」**というアドバイスはどうでしょう。これは、「どちらでもケーキは焼けるけれど、木ベラの方がより良く混ざる」という「より良い方法の提案」です。 マスキングテープの色選びと同じで、黄色でも緑でも水色でも、マスキングという目的は達成できます。しかし、より剥がしやすく、より綺麗に仕上げられる「より良い道具」があることを伝えているのです。これは、より高いレベルを目指すための「代わりの選択肢」と言えます。
このように、アドバイスには2つの種類があることを理解することが重要です。
絶対のルール: 化学的な反応や物理的な法則など、無視すると根本的な失敗につながるもの。
より良い方法の提案: 目的は達成できるが、より効率的・効果的・高品質な結果につながるための選択肢。
どちらのアドバイスもあなたを上達させるためのものですが、その本質を見極め、時には自分のスタイルや状況に合わせて柔軟に取り入れることが、あなた自身のスキルを磨き、より自由に表現するための鍵となります。
[※補足] ラッカー塗料とアクリル溶剤:この例は化学的な知識に基づいたものですが、一般的にラッカー系塗料にはラッカーシンナーを、アクリル系塗料にはアクリル溶剤(水性であれば水)を混ぜるのが基本です。異なる種類の溶剤を混ぜると、化学反応を起こして塗料の性能を損なう可能性があります。