2025/09/18 05:23

今回は、カスタムペイントを楽しむ皆さんの間でよくある疑問、「マスキングシートとカッティングシートって何が違うの?」というテーマについてお話しします。どちらもデザインを切り抜くことができるシートですが、実はその特性や得意なことが全く違います。この違いを理解することが、あなたの作品を完璧に仕上げるための第一歩です。

1. 目的と素材の違いを理解する

KICKS DATAが塗装用としてオススメする「マスキングシート」

マスキングシートは、塗装やスプレーでの色付け専用に開発された、いわばプロのためのシートです。耐熱性 1時間=180℃
 (推奨設定 20分=130℃)、有機溶剤にも強い特殊な素材
でできており、塗装時にシートが縮んだり、塗料が滲んだりするのを防ぎ、シャープで美しい仕上がりを実現します。

【こんな方にオススメ】

  • スプレーやエアブラシで塗装をする方

  • 繊細なデザインをきれいに仕上げたい方

  • 塗装の失敗をできるだけ避けたい方

耐久性抜群の「カッティングシート」

カッティングシートは、水や太陽光に強く、屋外でも5年ほどの耐候性がある、看板や車のステッカーにも使われるシートです。一度貼ったら剥がれにくく、長く使えることが最大の特徴です。

【得意なこと】

  • ロゴステッカー、チームのエンブレム

  • 車やバイク、水筒やスマートフォンケースなど、**「長持ちさせたい」**アイテムへの貼り付け

2. 塗装にはマスキングシートが最適な理由

エアブラシで使うアクリル塗料やウレタン塗料には、**「溶剤(シンナー)」**が含まれています。この溶剤が、シートの素材に大きな影響を与えます。※塩ビ=ポリ塩化ビニルフィルム(PVC)

  • カッティングシート(塩ビ製)への影響: 溶剤に非常に弱いため、塗料に含まれる溶剤が多すぎると、シートが化学反応を起こし**「溶ける」「縮む」「変形する」**といったトラブルにつながることがあります。

  • マスキングシート(塩ビ製)への影響: カッティングシートに比べて溶剤の影響を受けにくく、塗装専用に設計されています。

もちろん、使用するデザインや技術、ペイント箇所によっては、カッティングシートの方がよりきれいに仕上がる場合もありますが、一般的にはマスキングシートが適していると言えます。

3. お客様への想いとサポート

当店に「カッティングシートをお願いします」とご依頼いただくこともあります。せっかくの作品を台無しにしてしまうことがないよう、**「本当に塗装用でご依頼ですか?」**と確認させていただくことがあります。これは、お客様に最高の作品を作ってほしいという私たちの想いからです。

当店のマスキングシートは、過去の経験から得た「塗装にはこのシートが最適だ」という結論に基づいてご用意しています。お客様の作品が成功するよう、最適な道具選びからサポートさせていただきますので、ご不明な点があればいつでもお気軽にご相談ください。